2016年12月29日木曜日

荒木田岳先生から中学生たちへのメッセージ

【自分の頭で考え判断する強さを――】


2016113日、「子どもたちの健康と未来を守るプロジェクト」は郡山市で中学生とその保護者を対象として、福島大学の荒木田岳先生を講師に勉強会を開催しました。
参加者は30名ほど。荒木田先生には「自分の身を守るためには何が大切なのか」をお話していただきました。



 冒頭に先生が示したお話の結論、それは「自分の足でデータを集め、自分の目で見て、自分の頭で判断しよう」ということでした。「津波がきたら、各自ばらばらに一人で高台に逃げろ」という意味の「津波てんでんこ」は、他にかまわず、とにかくそれぞれが自分の身を守らなければみんなが生きのびることはできない、という、経験に根差した先人の知恵でした。原発事故も同じで、政府のいうことを聞いていたら自分の身は守れない。
 一つの問題に対して一つの正しい答えがあると信じさせるような受験勉強も、「自分の頭で判断する」ことの障害になりうる。しかし、現実の世の中は、一つの問題に一つの答えしかないわけではありません。「正しい」「科学的」「客観的」という言葉に惑わされず、「本当にそうだろうか?」と問うこと。自分の頭で考える習慣をもち、流れている情報が信頼に足るものかどうかを判断する力をつけ、自分がどういう行動を選ぶのかを考えてほしい、というのが、荒木田先生のメッセージだったと思います。


 また、荒木田先生は被ばく防護がおろそかになっている現実を懸念し、「脱被ばく」の実践の障害になるのは、「同調圧力」「同化圧力」であり、(放射線への)不安をないことにする「自己抑圧」もあると言います。そして、「「私は私だから(被ばくの問題に向き合います)」と、表明するのは大変なことだけれど、強くなってください」としめくくりました。

お話のあと、参加した生徒たち一人ひとりが質問し、「慣れてしまったことは怖いことだと思った」と言う男の子も。保護者からも「(放射能汚染を)気にしながらも、こういった話を聞く場がほとんどありませんでした。貴重な時間でした」という感想がありました。

 子どもたちの健康と未来を守るプロジェクトでは、こういった勉強会を今後も開催する予定です。事前にこのブログでも告知いたします。
関心のある方はぜひご参加ください。

0 件のコメント:

コメントを投稿