(「郡山市測定レポート(2)」の続きです)
ホットスポットファインダーで、Bさん宅の屋根も測定しました。屋根の構造が平になっているため、線源は屋根なのではないか、とBさんは以前から考えていました。
郡山市の除染計画では、民家の屋根は除染対象外です。郡山市は、屋根・ベランダは除染対象外になるため、自分で行うしかありません。屋根には1度も手を着けていない、とBさん。
環 境省による「除染関係Q&A(平成25年6月19日版)」によると、「2階以上の壁や雨樋及び屋根の除染については、生活空間における空間線量率 の低減への寄与が比較的小さく基本的には不要と考えられることから、財政措置の対象とはなりません」とあり、補助金対象外になるのだとか。住民の間では「瓦が壊れたら、弁償になるから、やらないんじゃないか」と噂されているといいます。
屋根の上で測定するこどもみらい測定所の石丸さん |
室内の線量とそれほど変わりませんでした。
「屋根の線量は素材に左右されると思います」
とこどもみらい測定所の石丸さん。
瓦屋根は除染してもなかなか落ちない、という話もあります。
「どこが高いのかは、実際測定してみないと分からない」と、この日は何度も感じました。
屋根が室内の線量を上げる原因ではない、となると、どこから放射線が飛んできているのか、検証が必要です。石丸さん曰く、窓ガラスからの線量、四方八方からの線量ではないか、とのことでした。
家の敷地を一歩出ると、いたるところに0.5~0.9μSv/hの場所があり、裏手にあった林も0.8~1μSv/hほどありました。
除染した自宅は緑~青だが、周辺は赤(0.5μSv/h以上) |
ちなみに、右上の写真はBさんのご自宅周辺の線量マップです。除染した建物周辺は緑~青(0.1μSv/h~0.3μSv/h)ですが、自宅敷地を一歩出ると、赤(0.5μSv/h以上)になることがわかります。
◆通学路の測定
その後、郡山市内の別の場所に移動し、子どもたちが通う通学路の測定を行いました。
子どもが通う通学路は、町内会の除染があったものの、市は担当しているわけではありません。手つかずのところもあります。
通学路に24時間いるわけではありませんが、毎日毎日、通い続けるわけです。
それに、子どもの場合、通学路をただ歩くだけではありません。登下校の途中で、興味をひくものに手をのばすことは、容易に想像がつきます。
通学路の、道端(土や草のあるところ)は、線量が高く、道の真ん中は道端よりも低くなります。
測定しました。
道の端 |
0.602μSv/h |
次は、道の真ん中です。
道の真ん中 |
0.326μSv/h |
たとえ子どもの被ばくをさけるためとは言え、車の走る道路の真ん中を歩くわけにはいきません。
通学路の徹底した測定を早急に行い、実態を把握してほしいと思います。
2013年10月18日に、環境省から「GPSと連動した計測装置の実証試験報告書」が出されました。
自治体によるホットスポットファインダーの導入が待たれます。
道端と真ん中だけではなく、身体を半転させただけ(センサーが30cm移動しただけ)で、0.2μSv/hの違いが出た場所もありました。
続きは、「郡山レポート(4)」でお伝えします。
(文責/吉田千亜)
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